先日、「TV放送から20年、誘おう君が望む世界へ…」
少女革命ウテナの特別展に行ってきました。
アンビバレントな美意識、独自のシュールなユーモアセンス、
乙女の夢をつめこんだロマンティックなシーン…なのにとことん変!(笑)
シンメトリーの様式美を持つ幻想的で、ありそうでない美術設定や世界観…
多感な中学生の時たくさんの影響を受けた、
個人的にもとても思い入れのある作品です。
貴重な原画やセル画名シーンが再現された特設会場、
大人になってからあの世界観に再会できるなんて本当に感動です!!
(あ、中学生のとき影絵の絵ばっかり書いてたのは、
もしかして影絵少女の影響かな?笑)
そして実は…初めて明かしますが、私のブランド名である「アブラクサス」も
少女革命ウテナから影響を受けています。
“卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでいく。
我らが雛で、世界は卵だ。
世界の殻を破らねば、我らは生まれずに死んでいく。
世界の殻を破壊せよ。世界を革命するために。”
という名セリフの大元になっている
ヘルマン・ヘッセの『デミアン』に出てくる、とある神様の名前なのです。
もとの詩には
“鳥は卵の中から抜け出ようと戦う。
卵は世界だ。
生まれようと欲するものは一つの世界を破壊せねばならぬ。
鳥は神に向かって飛ぶ。
神の名はアブラクサス。”
とあります。
アブラクサス=「殻を破って生まれようともがく自己が、辿り着こうと向かう先」
と読むこともできますね。
ちなみにこの『デミアン』の中で主人公は自身の成長と共に、
善と悪を知り、光と闇、秩序と混沌、創造と破壊を知ります。
自己と他者が一体であって、しかし永遠の別離であるとも知ります。
人間にはいつでも複雑で相反する感情や要素がつきまとう…
でもそれらの要素を深く味わうことで、人間的にさらに成長していくことができる
私はそう感じています。
そんな人間の多面的な魅力、その時々に感じる感情や表情に光を当てて、
香りを通じてその人の物語をより輝かせられたら…
そんな想いで「アブラクサス」という名前をつけさせていただいております^^
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ちなみに(かなりマニアックな話になってしまいますが)アブラクサスはグノーシス主義の文献によると、異端の神であり、「神的なものと悪魔的なものとを結合する象徴的な使命を持つ、一つの神の名」とされています。
神であり悪魔であり、明るい世界と暗い世界とを内包しているのです。
(だから私のブランドのロゴも、実は女性の二面性を表すイラストになっています!)
でも、これって神だけじゃなくて人間も同じだと思うんですよね。
明るい面も暗い面も同時に持っている、それがある意味人間らしさなんじゃないかな、と。
神様は全能なイメージですが、ある意味アブラクサスは「とっても人間的」。
ゆえに、「その人をまるごと認める」というのが、
私のブランドAblxs(アブラクサス)の裏テーマでもあります。
良いところもコンプレックスもまとめて全部認めて、
その上でどう見せるか、どう生かすか…
これからもそんな考えを大切に、
私のところへ来てくださる方、それぞれの世界観の表現を追求していけたらなと思っています^^