今回は、Ablxsスタッフkojiによる香りのご紹介をさせていただきます。
作り手の調香師Chiyoが語るのとはまた違った視点で香りを感じていただけるかと…。
ぜひ、ごゆるりとお楽しみください。
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本日はAblxsが発表している、様々な月の表情をテーマにした香り「MOON EAU COLLECTION」から
皆既月食をテーマにした「IMMORTAL NODE」をご紹介いたします。
“皆既月食”とは
そもそも月食は、太陽と月の間に地球が入ることで太陽の光を地球が遮ることで月に影がかかり、欠けて見えることを指します。そんな月食の中でも月の全てが地球の影に入ってしまい暗く、そして赤く見えるような現象のことを「皆既月食」と呼びます。
占星術において月食は「過去」や「前世」とリンクするものと云われ、過去からの縁、トラウマなども浮かび上がってくるタイミングとして考えられています。
過去に目を向けることは辛いことも多いですが、それらを体験することで先に進めるようになるもの。つまり皆既月食は「過去を通じて、自分の現在を見つめ、そして未来への足掛かり」とする重要なタイミングなのです。
香りを体感してみて
さてそんな「IMMORTAL NODE」。月の蠱惑的な感じの香りがするのかしらと、胸を躍らせながら肌に乗せてみます。
最初に感じたのは、意外にもフレッシュな柘榴。
皆既月食のイメージからは想像できないような、新鮮な香りで目が覚めるような気分に。
そのまま果実に直接かじりついた時のようなジューシーさと酸味を味わっていると、その中のリキュールのような豊潤な香りが鼻腔をくすぐってきます。
トップノートで感じられるこの魅力的な香りに冥界の柘榴に齧り付いたペルセポネもこんな気持ちだったのかと、思いを馳せます。
デメテルのもとへと帰るペルセポネの気持ちになっているとだんだんと香りが変化してきて、次に感じるのは赤いバラの香り。
赤バラと言ってもお花屋さんにあるバラの花というより、まるで暗闇の中に浮かび上がる「深紅の薔薇」といったイメージ。
ヴァンパイアは人間の血だけじゃなく、薔薇の花からも生気を吸い取れるという伝説を思い出してしまいます。ヴァンパイアを想起させたのはローズだけじゃなく、赤ワインをイメージする葡萄の皮の渋みもあるからかも。香りは一気にミステリアスな様相を呈してきます。
そしてこのミステリアスな様相は自分の内面を見つめているような気分にさせてきます。「あなたが本当に望んでいるものは何か」そう問いかけられているようです。
また香りを嗅いでいると本当にお酒を飲んだ時のような陶酔感が体を包み込み、まるでどこかのヨーロッパの古城にいるような気分に。黒に近いような濃い赤、クリムゾン レッドの洋服を合わせたいところです。
そして、皆既月食の香りはラストノートへ向けてさらに変化していきます。
最後に感じるのはスモーキーなウッディの、しっかりとした土台を感じるような香りになります。
ここで感じるウッディは神聖なイメージを含み、心を落ち着かせてくれるような印象を受けます。そして目を閉じるとこんな情景が。
「私の前には香炉がありその中では香木が燃やされている。香炉は金属製だろうか、鈍い光を放っている。そこからは煙が緩やかに立ち上り、気づけば穏やかに私の周りを取り囲んでいる。私が煙を吸い込むと、体の中から浄化をされている…。」こんな想像ができるようです。
「皆既月食とは、闇と混沌を経験し、新しい再生に向かう儀式(イニシエーション)のタイミング」
この説明を改めて読むと、香りのトップノート・ミドルノート・ラストノートの3段階で、実際にそれを経験できたことを実感します。
新生活が間も無く始まる春先の今、「IMMORTAL NODE」を使ってもう一度、自己を見つめ直してみるのはいかがでしょうか?
Written by.Koji
横浜生まれ、横浜育ちの浜っ子。
フランスで調香の基礎を学び、帰国後はコンテンツメーカーでPR業務などに従事。2021年からAblxsで月詠み調香師Chiyoに師事し、調香の勉強を継続中。自身のブランドを立ち上げることが最大の目標。
Twitter @kouji_perfumer
IMMORTAL NODE オーデトワレ/皆既月食の香り
Type
Spirited Woody
TOP : ザクロ、ダヴァナ、イモーテル
MIDDLE : ブラッディ ワイン、クリムゾン ローズ
LAST : パロサント アコード、サンダルウッド、レザー
聖なる樹木の香りを中心に、渦巻く苦悶や心のうごめきを鮮血を想起させるような赤ワイン、薔薇、そこから解放されていくイメージを少し酸味のあるザクロの果汁感で表現しています。どこか華やかで荘厳な、変容のための香りです。
〈こんなときに〉
・恐れを乗り越え、次なる自分へ進化していきたいとき
・荘厳で神聖な気持ちでいたいとき
・影・闇と向き合い、変容していたいとき
・新たな可能性と繋がりたいとき
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