FIGARO.jp連載「今日も美容日和」にて、
MOON EAUフレグランス4種をご紹介いただきました。
千早茜さんの小説『透明な夜の香り』を読まれていたとき、
新月の香り「OBLIVION」のシンとした水のように透き通る香りを思い出してくださったそう!
以前ちょうど、ふとTVをつけていた時、
王様のブランチで『透明な夜の香り』の作者インタビューが放映されており、
この小説、ずっと気になっていた作品でした。
期せずして、新月の夜にアマゾンから本が届き、読書開始…!
不思議な偶然ですが、この小説に出てくる調香師「朔」は新月、という意味をもつ名の青年でした。
(なんだか勝手に、ご縁を感じずにいられません…)
調香師 小川朔と、朔の住む洋館に住み込みの家事手伝いとしてバイトを始めた一香。
どちらもまさに、新月のように(新月は全く月の光の見えない夜のことです)
静かな紺色の存在感を漂わせる人物。
“不思議ですよね、確かにあるのに、名前がつかないと、ないことになる”
これは作中、朔が汗に混ざっている名前のない匂いについて表現した言葉。
確かにあるのに、存在感をわざと消しているような、
でも確実に存在する何か。
また、このフレーズも好きでした。
“六日ぶりに洋館に入ると、ここの清涼な香りを意識する。
空気が浄化されていくような、ほのかな苦味のある爽やかな匂い。
けれど、それは時間が経つと慣れて、意識から消えていく。
…
良い香りとは主張し続けないものなのだと知った。”
私の考える香りの魅力もそういうところにあるのかもしれません。
一瞬、心を掴み取る。
でもその輪郭を掴みきれず、また追いたくなるような存在。
確かにいるのに重苦しくなく、でも側に寄り添っていてくれるような香り。
そんな香りを今後も、ゆっくりと、
作り続けていきたいなあと思わせてくれた作品でした。